題しらず | 読人知らず | |||
20 |
|
春雨が今日降った、明日も降ればきっと若菜を摘めるだろう、という歌。 "若菜つみてむ" の 「てむ」は 「〜できるだろう」という可能のニュアンスを表す。 「梓弓を押して張るで春雨」という力の入った駄洒落に妙な勢いがある歌である。そのくせ実際にすることは、若菜摘みであるというギャップが面白い。 "梓弓" はここでは枕詞として使われているだけだが、あたかも剛毅な父親が、若菜摘みを楽しみにして外の雨を眺めている小さい娘のために、わざと真面目な顔をして駄洒落を言っているような光景が浮かんでくる。 この歌は、配列としては少し離れているが次の貫之の春雨の歌と合わせてみたい。 |
25 |
|
|||||||
「弓」を使った歌を一覧にしてみると次の通り。 |
|
「さへ」を使った歌の一覧は 122番の歌のページを参照。 |
( 2001/07/23 ) (改 2004/02/10 ) |
前歌 戻る 次歌 |