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       越の国へまかりける人によみてつかはしける 凡河内躬恒  
383   
   よそにのみ  恋ひや渡らむ  白山の  雪見るべくも  あらぬ我が身は
          
     
  • よそ ・・・ 遠く
  "白山" (しらやま)は、現在の富山・石川・福井・岐阜県にまたがる白山(はくさん)のこと。

  
一緒に行けない自分は、せめて遠い場所からあなたのことを思い続けましょう、という歌で、「雪見る」を 「行き見る」に掛けている。この歌で "雪見るべくも あらぬ我が身" と言っている躬恒だが、羇旅歌には次のような歌もある。

 
414   
   消えはつる  時しなければ  越路なる  白山 の名は  雪にぞありける
     
        「白山」を詠った歌を一覧にすると次の通り。

 
     
383番    白山  雪見るべくも あらぬ我が身は  凡河内躬恒
391番    君がゆく  越の白山 知らねども  藤原兼輔
414番    越路なる  白山の名は 雪にぞありける  凡河内躬恒
979番    君をのみ  思ひこしぢの 白山  宗岳大頼
980番    思ひやる  越の 白山 知らねども  紀貫之
1003番    白山  かしらは白く なりぬとも  壬生忠岑


 
        「よそ」という言葉を使った歌の一覧は 37番の歌のページを、「恋ひ渡る」という表現を使った歌の一覧は 180番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/03 )   
(改 2004/03/09 )   
 
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