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古今和歌集の部屋
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巻十三
題しらず
読人知らず
647
むばたまの 闇のうつつは さだかなる 夢にいくらも まさらざりけり
むばたまの ・・・ 闇の枕詞
真っ暗な闇の中での現実は、はっきりとした夢と比べると、少しも優ったところがない
、という歌。まるで直前に置かれた
645番
と
646番
の歌に付けられたナレーションのようでもある。
また、この歌は「うつつにだにも あかぬ心を」という
449番
の清原深養父の 「かはなぐさ」の物名の歌を思い出させ、古今和歌集の中の歌で 「うつつ」という言葉が使われている歌を見てみると、以下のようにすべて 「夢」とセットになっているのが面白い。
449番
夢
になにかは なぐさまむ
うつつ
にだにも あかぬ心を
清原深養父
558番
夢
のただぢは
うつつ
ならなむ
藤原敏行
641番
郭公
夢
か
うつつ
か 朝露の
読人知らず
645番
夢
か
うつつ
か 寝てかさめてか
読人知らず
646番
夢うつつ
とは 世人さだめよ
在原業平
647番
闇の
うつつ
は さだかなる
夢
にいくらも まさらざりけり
読人知らず
656番
うつつ
には さもこそあらめ
夢
にさへ
小野小町
658番
夢
ぢには 足も休めず かよへども
うつつ
にひと目
小野小町
834番
夢
とこそ 言ふべかりけれ 世の中に
うつつ
あるものと
紀貫之
835番
夢
と言はむ はかなき世をも
うつつ
とは見ず
壬生忠岑
942番
夢
か
うつつ
か
うつつ
とも
夢
とも知らず
読人知らず
「闇」という言葉を使った歌の一覧は
39番
の歌のページを参照。
( 2001/11/29 )
(改 2004/03/09 )
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