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古今和歌集の部屋
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巻十五
題しらず
読人知らず
763
我が袖に まだき時雨の 降りぬるは 君が心に 秋や来ぬらむ
まだき ・・・ 早くも
私の袖に早くも時雨が降ったのは、あなたの心に 「飽き」がきたからでしょうか
、という歌で、「秋」に 「飽き」を掛けている代表的な例であると言える。シンプルな歌だが、相手と自分との距離感もまたうまく詠み込まれているように思える。
253番
の読人知らずの「神無月 時雨もいまだ 降らなくに」という秋歌と合わせて見たい。 「時雨」を詠った歌の一覧は
88番
の歌のページを参照。
「まだき」という言葉は次のような歌で使われている。
232番
なぞ色にいでて
まだき
うつろふ
紀貫之
627番
あふことなきに
まだき
立つらむ
読人知らず
629番
あやなくて
まだき
なき名の 竜田川
御春有輔
763番
我が袖に
まだき
時雨の 降りぬるは
読人知らず
884番
あかなくに
まだき
も月の 隠るるか
在原業平
( 2001/12/10 )
(改 2004/02/26 )
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