返し | 在原業平 | |||
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その妻である紀有常女(きのありつねのむすめ)が次の歌のように、昼は来て夕方になるとどこかへ出かけてゆく業平を空に浮かぶ雲のようだと責めているのに対して、自分を山の雲の様子に見立てて皮肉で返しているもので、要は夫婦の口喧嘩のやりとりである。 |
784 |
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この業平の歌の場合、「空にのみ」とは元の歌が 「天雲のよそ」と言ったことを受けているものだが、同時に 「うわの空で・気持ちが落ち着かず」ということを表している。恋歌の中で 「空」という言葉を使っている歌の一覧は 481番の歌のページを参照。 「経(ふ)」という言葉が使われている歌の一覧は 596番の歌のページを参照。 また "風はやみなり" という部分で使われている 「名詞+形容詞の語幹+み」のかたちを持った歌の一覧について 50番の歌のページを参照。 |
( 2001/09/20 ) (改 2004/02/09 ) |
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