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       冬の賀茂のまつりのうた 藤原敏行  
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   ちはやぶる  賀茂のやしろの  姫小松  よろづ世ふとも  色はかはらじ
          
     
  • ふとも ・・・ 経るとも
  
賀茂の社の姫小松は、万世を経ても色は変わらない、という言葉通りの歌。 "姫小松" は、905番と 906番に出てくる 「姫松」で松の種類。

  詞書にある 「冬の賀茂のまつり」とは、十一月下旬の酉の日に行なわれた賀茂神社の臨時祭のこと。 889年に宇多天皇により始められたと言われている。 「葵祭り」とも言われる、臨時でない四月の祭りならば、433番や 434番の 「あふひ、かつら」の物名のように 「葵」などを詠むところを、十一月なので 「常緑の松」を詠っているものか。

  「ちはやぶる」という枕詞を使った歌の一覧については 254番の歌のページを、「経(ふ)」という言葉を使った歌の一覧については 596番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/10 )   
(改 2004/02/25 )   
 
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