題しらず | 平中興 | |||
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陰暦の二十日になると月の出が遅いことを 「はつか」/「つきなし」(=便宜・手段がない)に合わせて、今はもう二十日になっているので...とした歌である。この 「つき」がないという言い回しは、次のような歌で使われている。 |
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この歌の前半は 626番の在原元方の「あふことの なぎさにしよる 浪なれば」という歌や、次の読人知らずの歌を連想させる。 |
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"夜深からでは" は、「夜深し(よぶかし)」という言葉で、 153番の友則の歌や 642番の読人知らずの歌でも使われている。 この 「はつか」の歌でわかりづらいのは、なぜ逢うことが稀になると、深夜でないと逢えないのか、ということである。表立っての交際が禁じられたということも考えられるが、歌の前半を見る限り、二人の間は疎遠になってきている時期のように思われる。とすると、これは中興が女性の立場に立って詠ったもので、昔は夜早くから来ていたものを、今では遅くにならないとやって来ない、という皮肉の歌のように感じられる。 |
( 2001/10/31 ) (改 2004/02/18 ) |
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