題しらず | 紀有朋 | |||
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逢いたい気持ちは無数にあるのですが、逢う手だてがないので、惑うばかりです、という歌。 「星」と 「月」を詠み込んで、暗い夜に惑うイメージに仕立てている。 「見まくほし(欲し)」は、「逢いたい」ということで、この 「見まくほし」を使った歌の一覧は 620番の歌のページを参照。 「あひ見る」ことを詠った歌の一覧については 97番の歌のページを参照。 "人に月なみ" の「月なみ」は 「月」という側から見れば、「月+無+み」で、「月がないので」ということ。一方、「人に」という修飾がついている側から見た場合、この 「つき」は 「便宜・手段」という意味の俗語だと言われている。現代でいう、勝負事で 「ツキがある/ない」と言う時の 「ツキ(付き)」と同じ語源か。 「名詞+形容詞の語幹+み」のかたちを持つ歌の一覧は 50番の歌のページを参照。次の小野小町の歌の 「月のなきには」という部分も、「月がない−つきがない」という掛詞を使っている。この 「つき」を使った歌の一覧は 1048番の歌のページを参照。 |
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"惑ひこそすれ" の 「こそすれ」は 「こそ+すれ」で、強調の助詞「こそ」+サ変の一語の動詞「為(す)」の已然形。強調により 「〜だけれど」という逆接的なニュアンスを表すことも多い。次のような歌で使われている。 |
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「こそすれ」という言葉を使った歌をまとめなおしておくと次の通り。このうち 296番の忠岑の歌は 「心地+す」の間に 「こそ」が入ったかたちで、他のものとは少しパターンが異なっている。 |
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また、七夕の 「彦星」を除けば、古今和歌集に 「星」が出てくる歌は、この歌以外では次の藤原敏行の歌のみである。 |
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( 2001/10/19 ) (改 2004/03/09 ) |
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