題しらず | 読人知らず | |||
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竜田川に紅葉が流れている、その上流の「神なびのみむろの山」には時雨が降っているのだろう、という歌。左注に「または飛鳥川もみぢば流る」とある。 "神なびの みむろの山" は、「神なび=神の鎮座する」、「みむろ=御室=神の降りてくる場所」と似た言葉を重ねた修飾で特定の山を指すものではない、という解釈が一般的である。左注の 「飛鳥川」というのは、万葉集第十三3227に 「...神なびの みもろの神の 帯ばせる 明日香の川の 水脈早み...」などに「神なびのみむろ(みもろ)」とあるのを見て混同したものか。そう考えるとこの歌の 「神なびのみむろの山」は、300番の深養父の「神なびの 山をすぎ行く 秋なれば」という歌の 「神なびの山」と同じで、竜田川付近の山と考えてよいように思われる。 「神なび」と 「時雨」の組み合わせとしては、次の読人知らずの歌のようなものもある。 |
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そして 「時雨」と 「山」となると、貫之の1010番の旋頭歌で 「三笠の山」、次の歌で 「もる山」と合わされているのを見ることができる。 「時雨」を詠った歌の一覧は 88番の歌のページを参照。 |
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さらに 「竜田川」と 「時雨」の取り合わせとしては、冬歌の先頭に次のような歌がある。 |
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「竜田川」の歌の一覧については 302番の歌のページを参照。また、これらとは別に、宇多天皇が古歌を書いて提出せよと命じた時に、藤原興風がこの "竜田川 もみぢ葉流る" の歌と同じ心を詠んだものとして添えた、という内容の詞書を持つ次のような歌もある。 |
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「降るらし」という言葉を使った歌の一覧については 1077番の歌のページを参照。 |
( 2001/11/13 ) (改 2004/02/26 ) |
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