題しらず | 読人知らず | |||
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"石ばしる"は「岩ばしる」と同じで石の上を水が勢いよく流れること。 「滝」や 「垂水(たるみ:=滝の歌語)」の枕詞とも言われる。そして、この歌の "滝" は上から下に落ちる、いわゆる 「滝」ではなく 「激しい川の流れ」と見た方がすっきりする。 歌の意味は、この激しい川の流れがなければいいのに、そうすればここに来て見られない人のために桜の花を折ってくるのに、ということ。折って手土産にできない残念さを、その場の雰囲気をうまく伝えながら詠っている。この歌の最後は "見ぬ人のため" だが、「見む人のため」と詠っているのは、309番の素性法師の歌である。 また、この歌で使われている「もがな」という言葉は、願望の終助詞「もが」に同じく願望を表す終助詞「な」がついたもので、古今和歌集の中では次のような歌に使われている。 |
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その他に 「な」がつかずに「もが」と使われている例が 540番と 1003番の歌にあり、「もが+も(+や)」という例が 1098番の歌にある。 |
( 2001/11/20 ) (改 2004/02/06 ) |
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