寛平の御時、菊の花をよませたまうける | 藤原敏行 | |||
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詞書は 「寛平の御時(=宇多天皇の時代)に菊の花を詠ませた」歌ということ。 左注に「このうたは、まだ殿上許されざりける時にめしあげられてつかうまつれるとなむ」(この歌はまだ殿上が許されない時期に、特に召し上げられて詠んだと言われる)とある。 歌の意味は、殿上の雲の上で見る菊は、空の星かと見間違えてしまいました、ということ。シンプルではあるが、菊が輝く様子を美しく詠っている歌である。 "雲の上" とは、その本来まだ自分が上がるべき場所でないところから見たことを指している。 この歌と同じような意味で 「雲の上」という言葉を使った歌に、998番の「雲の上まで 聞こえつがなむ」という大江千里の歌がある。 「久方の」という枕詞を使った歌の一覧は次の通り。 |
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( 2001/09/26 ) (改 2004/02/26 ) |
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