雲林院のみこの舎利会に山にのぼりてかへりけるに、さくらの花のもとにてよめる | 僧正遍照 | |||
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詞書は、雲林院親王(=仁明天皇の第七皇子である常康親王)が舎利会(=仏舎利供養の法会)のために比叡山に来た帰り、遍照が桜の下で詠んだもの、という意味。 できることなら桜が嵐のように散り巻いて欲しい、帰る道がわからなくなってあなたがここに留まってくれるほどに、という歌で、 "吹きまき" 、 "乱れ" と、山風に散る桜のイメージを大きく捉えている。その時一緒にいたと思われる幽仙法師の歌が続く 395番にあるが、その静かさと並べられると、よりダイナミックさが引き立つようである。 「山風」および「嵐」を詠った歌を一覧にしてみると次の通り。 「野風」については 230番の歌のページを、「春風/秋風」については 85番の歌のページを、 「風吹く」という言葉を使った歌の一覧は 671番の歌のページを、 「吹く風」という言葉を使った歌の一覧は 99番の歌のページを参照。 |
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その他、この遍照の歌から連想されるものとしては、次の読人知らずの離別歌や、「桜花 散りかひくもれ」という 349番の業平の歌がある。 |
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( 2001/11/27 ) (改 2004/03/11 ) |
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