題しらず | 読人知らず | |||
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花の姿より香りの方が優っている、というのは様々に解釈できる。例えば天女の袖というものを想像して、このような香りがするならば、その姿は目の前の花よりも数段美しいに違いない、ということなのかもしれず、あるいは、41番の躬恒の「春の夜の 闇はあやなし」という歌と同じく、実は闇で花が見えていないのかもしれない。いずれにしても、その香りを運ぶ弱い風のようなものが感じられる歌である。また、この春歌に対し、秋歌上に次のような素性法師のフジバカマの歌がある。 |
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言葉のかたちは非常に似ていて、おそらくこの梅の花の歌をベースにしたのではないかと思われる。二つを並べてみると、春の袖と秋の袴(はかま)という対比が面白い。 「ぞも」という言葉を使った歌の一覧は 1007番の歌のページを参照。 また、「あはれ」という言葉を使った歌の一覧は 939番の歌のページを参照。 「思ほゆ」という言葉を使った歌には次のようなものがある。 |
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( 2001/09/11 ) (改 2004/02/25 ) |
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