巻二 |
0113 |
花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに |
春歌下 |
巻十二 |
0552 |
思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを |
恋歌二 |
巻十二 |
0553 |
うたたねに 恋しき人を 見てしより 夢てふものは たのみそめてき |
恋歌二 |
巻十二 |
0554 |
いとせめて 恋しき時は むばたまの 夜の衣を 返してぞきる |
恋歌二 |
巻十二 |
0557 |
おろかなる 涙ぞ袖に 玉はなす 我はせきあへず たぎつ瀬なれば |
恋歌二 |
巻十三 |
0623 |
みるめなき 我が身を浦と 知らねばや かれなで海人の 足たゆくくる |
恋歌三 |
巻十三 |
0635 |
秋の夜も 名のみなりけり あふと言へば ことぞともなく 明けぬるものを |
恋歌三 |
巻十三 |
0656 |
うつつには さもこそあらめ 夢にさへ 人目をもると 見るがわびしさ |
恋歌三 |
巻十三 |
0657 |
かぎりなき 思ひのままに 夜も来む 夢ぢをさへに 人はとがめじ |
恋歌三 |
巻十三 |
0658 |
夢ぢには 足も休めず かよへども うつつにひと目 見しごとはあらず |
恋歌三 |
巻十四 |
0727 |
海人の住む 里のしるべに あらなくに うらみむとのみ 人の言ふらむ |
恋歌四 |
巻十五 |
0782 |
今はとて 我が身時雨に ふりぬれば 言の葉さへに うつろひにけり |
恋歌五 |
巻十五 |
0797 |
色見えで うつろふものは 世の中の 人の心の 花にぞありける |
恋歌五 |
巻十五 |
0822 |
秋風に あふたのみこそ かなしけれ 我が身むなしく なりぬと思へば |
恋歌五 |
巻十八 |
0938 |
わびぬれば 身を浮草の 根を絶えて さそふ水あらば いなむとぞ思ふ |
雑歌下 |
巻十八 |
0939 |
あはれてふ ことこそうたて 世の中を 思ひはなれぬ ほだしなりけれ |
雑歌下 |
巻十九 |
1030 |
人にあはむ 月のなきには 思ひおきて 胸はしり火に 心やけをり |
雑体 |